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むなしさ(虚無感)という感情は、動物にはない、人間特有の複雑な気持ちです。個人差も大きく、その人の性格や世界観とも関係するという点で、かなり高級な精神活動と言えますが、その一方で自殺とも関連するなかなかやっかいな現象でもあります。
これまで精神科の領域では、うつ病や神経症などの心の病と関連した症状として、虚無感を取り扱ってきました。
またアルコール過飲や脂質異常症の影響により脳機能や構造が障害されて、抑うつ感情と共に「むなしさ」が強まることも明らかになっています。
強い虚無感の背景に既知の特定される原因がある場合は、それらの除去、改善、治療に努めることが有効です。
しかしここで特に注目しておきたいのは、性格素因に起因する「むなしさ」の場合です。
人には様々な性格があり、人生を比較的明るく発想できる人もいれば、将来に夢や希望を持てないことはもちろん、苦しみと虚しさしか予感できない人もいます。個人の経験やトラウマが、人生観に影響することは否定しませんが、同じ体験をしても、その受け止め方は各人各様で、大きな違いがあります。
ここで言う「むなしさ」の問題は、このような個性と感性の基礎にある個人の特性につながっているものです。自分の基本的な感情や感性は、思い通りに変えることはできません。
逆の例を言えば、怒りや攻撃性、破壊性などがとりわけ強い人もいるわけで、これらの人が度を越せば、事件やトラブルを引き起こすことになります。
このような特性は常に心の奥にあり続ける「衝動」と呼んでもいいようなものです。通常の努力では、いかんとも変えがたいものであることが多いのです。
これらは個人の性格についての基礎的な事項であり、ことさら新しく言うまでもないことかもしれません。しかし、多くの人たちが、自分の中にある強い感性やそのバランスの悪さに直面し、迷い苦しんでいるのも事実です。心の特性であるにもかかわらず、当人にはこの世の現実と感じられてしまうので、生き方に苦悩し、自殺の問題なども浮上します。
このような個性の問題に対して、より賢くつきあって、充実した人生を送っていただく助けになるように、「むなしさの程度」のチェックが作られました。ぜひご活用ください。
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